リニア中央新幹線の環境影響を考える

社会問題

リニア中央新幹線の建設工事が進む中、トンネル掘削による河川の水量減少が大きな問題となっています。特に静岡県を流れる大井川では、水源地域を貫通する南アルプストンネルの工事により、河川流量の大幅な減少が懸念されています。

JR東海が2013年に公表した環境影響評価準備書では、トンネル工事によって大井川上流部の河川流量が毎秒2トン減少すると予測されました。この量は、大井川下流域の島田市、藤枝市、焼津市など7市約63万人の水利権量とほぼ同等であり、地域の水資源に深刻な影響を与える可能性があります。

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実際に、山梨県の実験線工事では、トンネル掘削に伴う地下水流出により、周辺の河川や井戸で水枯れが発生しています。上野原市秋山地区では、簡易水道の水源が枯渇し、代替水源の確保が必要になるなど、住民生活に大きな影響が出ています。

静岡県の川勝平太前知事は、トンネル工事で減少する水量を全量戻すよう求めていましたが、JR東海は導水路トンネルとポンプアップによる一部回復策を示すにとどまっています。仮に全量戻しができたとしても、大井川源流部の地下水位は最大300m以上低下すると予測されており、沢枯れや高山植物などの生態系への影響が懸念されます。

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トンネル湧水の全量戻しをめぐっては、国の有識者会議が「影響は極めて小さい」との見解を示しましたが、静岡県や流域住民の理解は得られていません。水問題が解決しない限り、リニア静岡工区の着工は難しい状況が続いています。

リニア工事による河川流量減少は大井川だけでなく、他の地域でも発生する可能性があります。南アルプストンネルは大井川水系だけでなく、富士川水系、天竜川水系の3つの水系を貫通するため、広範囲で水源への影響が懸念されるのです。

山梨県の県道工事でも、リニア関連の残土置き場からの重金属流出が確認されるなど、工事に伴う水質汚濁のリスクも指摘されています。リニア事業では、水資源だけでなく生態系や水環境の保全についても、慎重な対応が求められます。

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水は地域の貴重な資源であり、住民の生活や産業を支える基盤です。リニア中央新幹線が目指す大都市間の利便性向上と引き換えに、沿線地域の水資源が犠牲になるようなことがあってはなりません。JR東海には、水問題の抜本的な解決策を示し、地域の理解を得ながら事業を進めていくことが強く求められています。

水資源の保全と両立したリニア中央新幹線の建設は、我が国の持続可能な発展のための大きな試金石と言えるでしょう。リニア反対を貫き、知事を辞めた川勝知事の考えも一理あるかもしれませんね。

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